はじめに
中古レンズはボディ以上に当たり外れが大きく、カビ・クモリの見極めが満足度を左右します。きれいに見えても内部に問題を抱えた個体は珍しくありません。このガイドでは、写真や実物での確認方法、撮影への影響の許容範囲、清掃で直るかどうかの判断基準を解説します。
カビ・クモリ・キズの違い
中古レンズの代表的な内部トラブルを整理します。
- カビ — 湿気で発生する菌糸。白い糸状・クモの巣状に広がる
- クモリ — グリスの揮発成分などが付着し、曇りガラス状に白く濁る
- バルサム切れ — 貼り合わせレンズの接着剤劣化。虹色や気泡状に見える
このうち修理難度が高いのはバルサム切れで、多くの場合は修理不可です。
写真での見分け方
フリマやオークションの出品写真からも、ある程度の判断ができます。
チェックすべき撮り方
- 逆光・透過光の写真 — 後ろから光を当てた状態が最もカビ・クモリが見える
- 斜めからのライト照射 — 白い糸状のものが浮かび上がればカビ
- 前玉・後玉のアップ — キズやコーティング剥がれの確認
出品写真が暗所での正面からのみの場合、内部トラブルが隠れている可能性があります。透過光の写真を追加で依頼しましょう。
中古のソニー FE 24-70mm GM IIのような高級ズームは、内部状態の確認がとくに重要です。
実物での確認方法
手元で確認できる場合は以下を行います。
LEDライトを使った確認
- 暗い場所で、レンズの後ろからLEDライトを当てる
- 前玉側から覗き込み、内部に糸状・濁りがないか確認
- 角度を変えながらコーティングの傷や剥がれもチェック
ソニー FE 70-200mm F4 IIのような望遠ズームは群構成が複雑なため、各エレメントを丁寧に確認しましょう。
許容範囲の目安
撮影への影響が小さいケース
- ごく薄いカビ — 描写にほぼ影響なし。ただし将来広がるリスクあり
- 前玉の浅い擦り傷 — 影響は意外と小さく、逆光時のフレア増加程度
- わずかなチリ・ホコリ — ほとんどのレンズに存在し、描写に影響しない
避けたいケース
- 濃いカビ — 確実にコントラスト低下。清掃しても跡が残りやすい
- 全体的なクモリ — 眠い描写になる。実写サンプルを必ず確認
- コーティング剥がれ・バルサム切れ — 色ムラや描写劣化。修理困難
清掃で直るかどうか
清掃可能な範囲
- 発生間もない薄いカビ
- 表面のチリ・ホコリ
- 軽度のクモリ(グリス由来)
清掃が難しい範囲
- コーティングを侵食した濃いカビ
- バルサム切れ
- 深いキズ
清掃費用は数千円〜1万円台が目安です。安価なレンズではコストが見合わないため、清掃前提なら購入価格+清掃費で判断しましょう。
まとめ
中古レンズは透過光での確認がカビ・クモリ判定の決め手です。薄いカビなら実用上の影響は小さいものの、放置で広がるリスクを理解しておきましょう。清掃で直る範囲には限界があるため、本体価格と修理費を合わせて検討するのが賢い選び方です。状態の良いレンズやカメラを探すなら、ガジェット一覧からチェックしてみてください。